みずほ銀行オンライン・システム障害について 〜 注17

公開: 2021年10月24日

更新: 2021年10月24日

注17. オンラインシステムの安定稼働

銀行の勘定系オンラインシステムは、銀行の日常業務を支援する基本的な仕掛けである。従って、その基盤が安定して稼働しなければ、日常業務の遂行はままならない。その意味で、「安定稼働」は、銀行にとって最重要なかだいと言える。しかし、銀行のオンラインシステムは、その第一世代が1960年代の中頃に開始されて、ほぼ半世紀が経過している。この間のコンピュータとソフトウェアの進歩は、目覚ましいものがある。第二世代のシステムまでは、「安定稼働」は、最重要課題とされていた。ネットワーク化が進み、障害の原因が多岐に渡るようになったからであった。しかし、第三世代のシステムを経て、「安定稼働」は、もはや大きな問題ではない。むしろ、増大し続けるシステムの複雑化にどう対応するかが、最重要の課題になっている。みずほ銀行のシステムは、この第三世代の途中に、3つのシステムがつなぎあわされ、稼働が不安定になったまま、複雑化にも対応を迫られ、一度に二つの大問題に対する対応を迫られているのである。

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